「これからの野党を問う」
安倍政権で公文書改ざん問題で近畿財務局職員が自殺し、菅政権下ではコロナの水際対策、検査体制が不徹底であった。岸田政権は十分な医療体制を整え、本気で感染抑止、コロナ終息に向かえるのか。岸田総理は“丁寧に、謙虚に”耳を傾けるだけでは済まされず、安倍・菅政権下の負の遺産の清算とその結果責任が問われる。
いま、わが国には様々な構造問題が横たわり、政治が打破できずにいる。賃金は抑えられ、少子高齢化が進み、気候変動問題もある。とくに若者世代には言い知れぬ閉塞感が広がっているが、これを「自己責任」という言葉で切り捨ててよいのか。
本来、野党は、与党の政治に満足しきれない有権者のニーズに応えていくべきだが、野党陣営は自己主張が強く、互いに牽制し合っているのが現状。与党である自民党に世襲政治家が多く、現状維持の利権絡みで求心力を持つのとは対照的。野党は自己主張を抑え、維新から共産党まで連携してもよいくらいだ。
2009年に民主党政権が誕生した当時、投票率は7割に達していたが、現在は5割程度に過ぎず、多くの国民が政治に夢や希望を抱かなくなった。若い世代ほど投票率が低い傾向にある。投票率が低ければ極端な声が国政に反映される。安倍長期政権を支えたのは低投票率と言ってよい。
時代が変われば、社会設計を変えるべきだが、それだけの力量を持った政治がない。この状況を打破するには、全員参加型の政治が不可欠だ。政治が変われば社会が変わり、人生も変わる。国の将来が変わる可能性もある。
小川氏は、政治を変えたいという一念で出馬に至った経緯について熱く語るとともに、日本の選挙制度の矛盾や社会構造の歪み、高い投票率を維持する諸外国の例などを指摘。「長距離運転にはスペアタイヤが必要なように、自民党が安定装置であるなら、野党は変革装置、改革勢力であるべき。その気概、見識、覚悟を持って臨みたい」と政治改革への想いを強く訴えた。
その後の質疑応答では活発なやり取りが行われ、「経済発展に向け、GDPは軽視できないが、人口減少社会においてはGDPの呪縛から逃れ、持続可能な均衡型の経済、公正な社会を目指していくことが大切」と述べた。